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坊主頭の笑い声が俺の感情を凄まじい程に、逆撫でした。
コイツラ、ナニサマダ。
フザケロヨ。
シルファとネルファは今となっては意味を成さない口論を続け、山賊の風貌をした二人はその間にどう生け捕るかの少しの打ち合わせをしている。
最早、明良にはその全てがどうでも良かった。
内に溜まった暗黒い感情に支配され、不満と怒りが混ざり合い行き場のない憤りを増幅し今まさに弾ける寸前だった。
本来。
それほどクールでもなければ、短気でもない明良がこれ程に負の感情に全てを支配されていた。
黒く汚い負の感情が暴れ続ける。
ドイツモ__
コイツモ__
俺ノ話ニハ耳ヲ貸サズ好キ放題言イヤガッテ。
殺す。
殺ス。
こロス。
コロス。
明良の変化に気付く者は居らずネルファとシルファは未だに言い合いを繰返し、山賊の風貌をした二人は打ち合わせが終わり動き出そうとしていた。
「ラッセル!仕留めるぞ!」
坊主頭がイケメンに言葉をかける。
坊主頭が動き出す。
言い合いをしていたネルファが、敵の変化にいち早く気付き動く。
「させるかっ!そこの下種もろとも塵に変えてくれる!」
バリンッ。
両者の一言に明良の中で最後の抑止力が鈍い音を立てて弾けた。
_____ゼンイン、ブッコロス。
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