1、夢か希望か絶望か

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見渡す限りに広がった、木々達~♪ 孤独に堪えれず口ずさむが、そんなどころではない。 進めば進むほどに、鬱蒼とし緑が濃くなるばかり。 恐らく、山に近いのかもしれない。 なにより圏外と言う事は、山が濃厚だろうな。 「はぁ。」 ホント参ったな。 ポケットから携帯を取り出しつつ、近くの朽ちた丸木に腰掛ける。 「まぁ当然、圏外だよな」 ふと時刻が目に入る。 「12時か―――」 12時。 「ん?12時ぃっ!?」 そんな歩いたっ!? 疲れてないし、とりあえず落ち着くんだ俺よ。 フラット、フラットにだ。 何でだろうか、もしかしたら山の中で感覚がおかしくなって来ているのかもしれない。 小まめに時間を確認すべき、だな。 ここは、冷静さに磨きをかける為に携帯をしまった逆のポケットからタバコを取り出す。 黒いパッケージに銀色で綴られたスペル。 Black Impact。 一本だけ取りだし、火を点ける。 深く吸い込み肺を満たすニコチン。 「はぁーぁ。マジでどうしたもんか・・・」 左見るが、同じ景色。 右を見ても、同じ景色。 そもそも、日本の山なのかどうか怪しい草木の形と色。 喉乾いたな。 川かなんかないの、川っ。 もしくは整備された道とかあるでしょうよ、普通。 けど、普通じゃないからの現状・・・・。 顔を上に向けて空を見上げ、肺に溜まった煙を吐き出す。 「ふぅ。これからどうしたら良いんだよ俺は・・・って、ん?」 視界の端に動く物体を捕らえた。
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