夏休み間近

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「あぁ,勝ったな」 「当然だな」 そう談笑する時夜と心志。 しかしその顔はところどころ赤く腫れ上がっている たった一人でも戦力の差はデカイ といっても無傷で勝つなんてのは難しい話しだ。 ボロボロになる覚悟で 行った二人は逆にこの位のケガで済んで良かったと少し胸を撫で下ろした。 「カッターシャツ汚れちまったな」 と愚痴る心志に 「まぁしゃあねぇよ 今日はシャツ脱いで過ごそまい」 と提案する時夜。 教室に戻ると静まり返っていた…誰もいないのだ。 だが二人の人影だけは見えた 紗耶美と鳴海だ。 「来たな不良」 「大丈夫?」 相変わらずニヤニヤと 時夜を見る二人だった。 「まぁな。ズタボロにして土下座させてやったわ」 誇らしげに語る時夜に 「さすがキックボクシングやってるだけあるな」 よいしょする紗耶美✋笑 「おまっ,なんか欲しいのか?」褒められデレデレする時夜。 ケンカと格闘技は別物だが並の敵では相手にならないほど時夜のキックの腕はすごかった。 本人としてもそこを褒められのは気分が良かった。 「金」「鳴海サンにわ聞いてません」 「なに~,今日はテスト期間で4時間だったんだぞ。だからそれを忘れてケンカしてた馬鹿のカバンをアタシらが隠しておいてやったんだよ✋」 「……え?…それが?💦」 訳のわからない時夜は 鳴海に聞き返す。 「だから,お前がいないのにカバンだけあったらどこ行った?ってなるじゃねーかよ そうならねーようにアタシらがカバン隠して早退したってことにしてやったんじゃん!」 紗耶美の説明になるほどと頷く時夜。 「じゃあ,まぁジュースくらいおごってやるよ」 「そんなことよりも…」 耳元でゴニョゴニョ耳打ちする鳴海…… 「はあ~?!!」 その内容に驚く時夜。 「ねぇねぇ何なに~?」 「良かったな紗耶美」 「んあ?」 「漆君が家に招待してくれるってよ!アンタを!!」 「はぁ~?!」 思わずハモってしまった 二人だった。
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