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校長室にフィオがいるのは当然だった。ネコ耳の目撃者が増えて、未夜はげんなりする。
ふと気になり胸ポケットの中を見ると、モネが丸くなって眠っていた。自分も何もかも忘れて眠れたら、どんなにいいだろうと思った。
「未夜君、私は萌えました。こんな気持ちを抱いたのは初めてです」
ほおと息を吐くような声を漏らし、フィオが赤く染まった頬に手をあてた。
容貌が美しい彼がやると絵になる。ここに女子生徒が数人いたら、みんな見惚れていたのは間違いない。無論、未夜はその中から除かれている。
「何、未夜に見惚れているんですか。未夜は私のものなんですからね」
フィオの言葉を聞き逃さず、葉月が言った。
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