わがまま少女と執事

53/63
前へ
/158ページ
次へ
校長室にフィオがいるのは当然だった。ネコ耳の目撃者が増えて、未夜はげんなりする。 ふと気になり胸ポケットの中を見ると、モネが丸くなって眠っていた。自分も何もかも忘れて眠れたら、どんなにいいだろうと思った。 「未夜君、私は萌えました。こんな気持ちを抱いたのは初めてです」 ほおと息を吐くような声を漏らし、フィオが赤く染まった頬に手をあてた。 容貌が美しい彼がやると絵になる。ここに女子生徒が数人いたら、みんな見惚れていたのは間違いない。無論、未夜はその中から除かれている。 「何、未夜に見惚れているんですか。未夜は私のものなんですからね」 フィオの言葉を聞き逃さず、葉月が言った。
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

395人が本棚に入れています
本棚に追加