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「未夜君、ここに座ってください」
自分が座っているソファーの左側を左手で二度叩く。葉月のことは、完全に無視していた。
「は、はい」
遠慮気味にソファーに近づき、端に座る。少し離れているが、隣に男性がいると思うと緊張してしまう。
頬が強張らないように気をつけて、いつもの表情でいられるように意識した。
「未夜君、そんなに遠慮しないで、もっと近くに寄っていいんですよ」
フィオはそう言うなり、未夜の片腕を掴み、左腕を腰に回した。両方の手に力を入れると、未夜を近づける。
「え?」
あっと謂う間に、水干姿の男とネコ耳の執事が、寄り添って座る奇妙な光景が完成していた。
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