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『バカやろう!ここで死んでいいのですか?』
途端に光の精霊の声が響く。
しかしその声を聞いていたのに、暴走獣の攻撃を食らってはいなかった。
まるで、時が止まったように。
しかしそんなことを不思議がっている暇はなく、また光の精霊の声が響いた。
『ミズハやこの世界の人々を助けるんじゃなかったのですか!』
その訴えはシュンの心に響く。
「………ごめん。」
シュンはぽつりと呟く
また諦めていた。
「………俺、間違っていた。」
そうだ。
答えは戦いの中にあると言っていた。
なら、このどうしようもない気持ちの答えも戦いの中にあるのかもしれない。
それになによりミズハの敵を討たなければならない
それにこの先もっと大切な仲間達に出逢うかもしれない。
そうすると、こんな所で死ぬわけにはいかない。
『お前ならやれる。私は信じているのです。』
「うん。」
小さく頷きシュンは暴走獣の攻撃を避けるために右に跳ぶ。
そして、その牙は空を喰う。
『右の脇腹を狙うのです。』
光の精霊の言葉を信じて右の脇腹にめいっぱい剣を振るう。
「お返しだ!!」
剣はヒュンと鳴くとハサミで紙を切るように暴走獣の脇腹を切り裂く。
「グァァァァ!!」
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