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「……だ、誰ですか。」
おそらく村の人だろうが確認するために近くに走り寄ってきた人にそう尋ねた。
「心配はいらない、私はミズハの父親だ。」
そう言うとシュンの肩に手を回す。
「自分なんかよりミズハを……。」
騒動にかき消されそうな声でシュンは言った。自分なんかより出血しているミズハの方が手当てが必要だと思ったからだ。
「その必要はないよ。ミズハは別の人達が助けてくれている。」
そう言うと二人はゆっくりと歩き始めた。
ふと横を見ると村の人達が瀕死寸前の暴走獣と戦っていた。
「大丈夫、あとは彼らに任せて。君のお陰で奴はもう立てない。」
地面に横たわっている暴走獣を村人が必死に攻撃していた。
「……すいません、……ありがとうございます。」
そう言うと、これまでの緊張がとれたのかシュンの意識は遠のいていった。
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