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どれぐらい気を失っていたのだろうか。
気がつくと、俺は布団に寝かされていた。
「みんなは、そうだ奴は……ぐっ!」
暴走獣のことが気がかりになり体を起こそうとした。しかしその瞬間体に激痛が走る。
「くそっ……。」
これでは外の状況が全く把握できない。仕方なく自分をこの世界に案内した奴に尋ねようとした。
「なあ、光の精霊?」
俺の心の中に潜む奴に語りかけるが反応がない。
「なあ、おい!」
何度も語りかけるがやっぱり反応がない。
そのまま空白の時間が過ぎていった。
――怒っちゃったのか?
とは言っても怒られる要因なんて何もない。
―その時だった!!
バキバキバキッ!!
何かがなぎ倒されていく音がシュンのいた部屋に響く。
続いてその後に悲鳴が聞こえる。
「な、何だ!!」
辺りを確認するため体を起こそうとするが、やっぱり力が入らない。
「シュンッ!!」
そうしていると部屋の扉が勢いよく開きミズハが入ってきた。しかしその左手は包帯で固定されていた。
「大変、村が……、村の人達が……!」
シュンを見つけるとミズハは泣き始めた。確かに村に異変が起きたようだが何があったのかなど全く検討がつかない。
「また、暴走獣が……、しかも今度は10匹ぐらいで……。」
「な、何だって。」
あんなモノがまた来たら今のシュンでは一匹ですら勝てるはずがない。
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