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絢子は首を横に振って、ファッション誌の付箋紙が貼られたページを開く。
「誕生日プレゼントは、コレが欲しいってもう言われてるの…」
「え?ちょっとこれって…!?」
絢子が指差した先は、ダイヤモンドのピアス。
定価は7万円、しかもどこからどう見ても女物。
「ちょっとちょっと!コレ女物よ?しかも、彼女に7万円もするプレゼント強請るってどうよぉ?」
「…うん、アクセサリーは女物が好きなんだって…。それに、私の誕生日にはオーダーメイドのダイヤのネックレスくれるって言うから…」
「えー…、騙されてるんじゃないの?」
眉を寄せて心配そうに誠が聞けば、絢子は首を横に振る。
「そんなことないよ!それに…やっと付き合えたから、欲しいって言ってくれたプレゼントあげたいの…」
「そう…。絢子ちゃんがそう言うなら、アタシが口出すわけにはいかないわね」
ため息を吐いて、誠は机の上に乗っている求人誌を見る。
「それで、お金が必要ってわけね?」
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