604人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
『絢子が告白してくれるの待ってたんだけど、待ちきれなくなったんだ。だから、俺と付き合ってくんない?』
その言葉に絢子は真っ赤な顔で何度も頷いた。
言えなかった絢子の代わりに、彼が勇気を出して告白してくれたのだ。
だから、その想いに応えたいと思ってはいたものの、体を求められた時、絢子は拒んでしまった。
まだ誰とも体の繋がりを持ったことがなく、もちろん男性との付き合いは初めて。
それなのに、1ヶ月も満たない内に体を求められたのは、怖かった。
(本当に好きなのに…)
それでも、体を求められるとやっぱり怖い。
それを正直に彼に伝えれば、彼は「じゃあ、待つよ」と言って絢子に体を求めてくることはなくなった。
だからこそ、自分の我が儘で彼に我慢させているからこそ。
誕生日プレゼントは、彼が欲しいと言ってくれた物をあげたい。
「あ、時間なくなっちゃう」
時計を見て、絢子は慌てて身支度を始める。
今日は、バイトの2日目だ。
最初のコメントを投稿しよう!