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(あ、そうだ!)
昨日、美月に言われていたことを思い出す。
『何かあれば電話して下さい。海外での挙式なので、すぐに駆けつけることは出来ませんが、出来る限りアドバイスはしますから』
床に膝をついたまま、携帯電話を取り出して美月に電話を掛ける。
『…現在電波の届かない…』
コール音も鳴らずに流れるアナウンス。
そう、言われていた筈だ、昨日。
『あ、飛行機に乗ってる間は電話出来ませんからね』
と、笑顔で。
(私にどうしろとー!!?)
携帯電話を握り締めたまま、絢子は再び床にうなだれた。
「おっやまぁ…、サービスショット?」
「ぎゃぁぁあ!!?」
不意打ちに後ろから掛けられた声に、絢子は慌てて飛び退く。
(は、恥ずかしいっ!!?)
あんな格好しているのを後ろから見られるだなんて、羞恥以外の何者でもない。
(でも、パンツスーツで良かったっ……!!)
不幸中の幸いか、昨日と違い今日はパンツスーツだ。
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