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美月に言われていたのだ、スカートよりパンツのほうが安全、化粧もないほうがいい、と。
これで、スカートだったらパンチラどころの騒ぎじゃなかった。
「んっ、昨日みたいなスカートだったら良かったのに…」
「パンツにして本当に良かった…」
ボヤく誠一に、絢子は心から美月のアドバイスに感謝する。
そして、立ち上がって誠一に向き直る。
「おはようございます、社長。…始業時間過ぎてますが、朝からどこに行ってたんですか?」
「おはよ、絢子ちゃん。んっ、オジサン社長さんだから、重役出勤なのよ」
「聞いてないです…」
「まぁ、何時ものことすぎて美月ちゃんも忘れてたんじゃない?」
「…そうですか」
「それよりも、さ」
「はい?」
誠一が改まったように初めて真剣な表情を見せた、その表情に絢子は驚きつつも、話を聞く体制に入る。
「オジサン、絢子ちゃんには「社長」じゃなくて、名前で呼んで欲しいんだけど…」
「嫌です」
思わず即答。
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