2日目

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   頬を膨らませるのも、そっぽを向くのも、オッサンがして良い仕草ではないと。 (あぁ、何か今なら…)  昨日、無理だと言った木製バットも軽々振れる気がする。 「わかりました…」  絢子は諦めの混じった声で、呟く。  やっぱり木製バットは振れない、自分の中の大切な物を色々失ってしまいそうだから。 「…真田さん…。…これで良いですか?」 「誠一」 「え?名前で?」 「誠一」 「マジですかー…」  仕切りに名前を呼ぶように、誠一は自分の名前を呟いている。  仕方なく、本当に仕方なく、絢子は誠一の名前を口にする。 「せ、誠一…さん」 「うん」 「誠一さん」 「もう一回」 「誠一さん」 「後一回だけ」 「誠一さん」 「ワンモワ…」 「もういいでしょう!!?何ですか?!羞恥プレイですか!!?」  怒り出した絢子に、誠一は両手を前に出して首を横に振る。 「いや、違うから。んっ、名前呼んでもらったらオジサン元気になった。…下半身が」  
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