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「あら?もう戻っちゃうの?」
「え?」
掛けられた声に絢子は慌てて振り返る。
(うっわぁ…)
振り返った先には、派手なお姉さんがいらっしゃいました。
(受付嬢のお姉様方とは偉い違い…)
思わずそう思ってしまった。
だって、今にも胸が零れそうな開襟のスーツ。
スカートは、マイクロミニ。
髪は盛りに盛られて、その爪はライトストーンだらけ。
極めつけは、ヒョウ柄のストッキング。
まるで、ここだけキャバクラだ。
「あなたって、臨時の社長秘書なんでしょ?」
「あ、はい。そうですが…」
キャバ嬢のような女性はゆっくりと、絢子に近付いて頬をなでる。
(ひぃ!?)
絢子は思わず後退ろうとするが、頬に爪を立てられるように掴まれて動けなくなる。
「ねぇ?どうやってあんたみたいなガキが取り入ったのよ?やっぱり体?最近のガキはすぐに男に足開くものね」
その目は、獲物を狙う猛禽類のようで、絢子をジワジワといたぶるつもりだ。
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