2日目

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  「ん。でも、頬に爪の痕残っちゃったね。オジサン氷貰ってくるから、絢子ちゃんは社長室戻ってなさいよ」 「え、でも…まだコーヒーも淹れてませんし…」 「大丈夫、それくらいオジサンにも出来るから。あんまり此処に居るとまた、さっきみたいな女に絡まれちゃうから…ね」 「それじゃぁ…」  絢子が頷くと、誠一は促すように絢子の背を押しながら歩き出した。  一足先に社長室に戻った絢子は、ただ黙って待つのも居心地が悪い気がして、書類の仕分けを始めた。  仕分けを始めて、すぐに社長室のドアが開けられる。 「おっやまぁ…、休んでて良かったのに」 「じ、時間が勿体無い気がして…」 「真面目だねぇ…、ん、嫌いじゃないけど」  誠一は微笑みソファーに座ると、手に持っていたコーヒーと氷嚢をテーブルに下ろす。 「ほら、絢子ちゃん、おいで」 「ぅ…は、はい」  そう言って手招きをされたのだが、何となく恥ずかしくてどもってしまった。  
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