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「あっら~、どもっちゃって…可愛いこと」
「ぁ…ぅ~…」
どもったことを言われ、絢子の頬は赤くなる。
「今度は、赤くなっちゃって…本当に可愛いこと」
「そ、そんな可愛い可愛い連呼しないで下さい」
「可愛いんだもん、仕方ないでしょ?ほら、氷貰ってきたから早く頬冷やすといいよ」
「あ、ありがとうございます」
タオルに包んだ氷嚢を渡されて、絢子は頬にあてる。
それを見ながら誠一は申し訳なさそうに、口を開く。
「いや、何か、ウチの社員がごめんね」
「あ、その…びっくりはしましたけど…気にしてないですよ…」
「ん、でも、ごめん。…早いとこアイツ等も辞めさせたいんだが、なかなか…ね」
絢子はコーヒーに口をつけて、誠一を見る。
「あのっ…さっきの女の人って…」
「ん、アレだよ。昨日美月ちゃんが言ってた、秘書課の奴ら…って言っても、秘書課なんて名前だけ、要は幹部の恋人だったり、愛人だったり…まぁ、この会社の数あるうちの汚点の一つだな」
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