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『見えない現実』こと東ヶ崎 監禍は、自らの死の前日、まるで自分の死を予知したかのように改まって二人の弟子を集めて話をしていた。
彼女が居を構える山奥。少し拓けた広場があり、そこが彼女達の修行場だった。
その日は雲一つ無い快晴で、その広場には暖かい光と心地良い風に満ちている。
その真ん中の草地に、三人は座っていた。
「──師匠、お話ってなんなのだ? もしかしてそろそろ奥義伝授なのか!」
「煩いぞ、馬鹿友梨。僕らみたいなのが奥義なんてまだまだに決まってるだろ」
「煩いのはそっちだ! 私は馬鹿ではないぞ! 真哉だって私にとやかく言えるほど賢い訳でも無い癖に。IQ六十のチンパン野郎」
「……殺すッ!」
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