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「あのう、もしもし」
不意に何処からか、声がしてきた。私はびっくりして、そっちの方に目をやる。
見るとそこには、すらりとした体、整った目、鼻、口、髪は腰まで伸びていた一人の少女が、目の前に立っていた。
「大丈夫ですか?具合が悪いようでしたら、保健室に案内しますけど」
少女が私を心配そうな顔で見てくるので、慌てて立ち上がり、足についた砂を払い落としながら、
「大丈夫です。歩けます」
といって、笑顔で答えた。
「でも一応、先生に見て貰った方が」
少女はさも心配そうに、私の顔をジロジロ見てくる。
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