第一章 出逢い

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「大丈夫、ほら」  私は少女に腕を回して見せた。少女は私の姿を見て、少し安心したのか、表情が豊かになってきたみたいだ。 「ところでさ、この学校の寮って何処にあるのかなあ」 「寮、ですか?」 「私、この学校初めて来たから。何処にどんなものがあるのか分からないし。もしかして、迷惑だと思っちゃった?」  すると少女は首を横に振って、 「そんなことないです。むしろ嬉しいです」  と答えてくれた。そして、 「寮なら、あそこの角を曲がった所にあります」  といって、その方向を指さして教えてくれた。 「ありがとう」  少女にお礼を言うと、地面に置いてた荷物をヨッコラセと持ち上げた。そして少女の指した方向に走った。
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