11人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫、ほら」
私は少女に腕を回して見せた。少女は私の姿を見て、少し安心したのか、表情が豊かになってきたみたいだ。
「ところでさ、この学校の寮って何処にあるのかなあ」
「寮、ですか?」
「私、この学校初めて来たから。何処にどんなものがあるのか分からないし。もしかして、迷惑だと思っちゃった?」
すると少女は首を横に振って、
「そんなことないです。むしろ嬉しいです」
と答えてくれた。そして、
「寮なら、あそこの角を曲がった所にあります」
といって、その方向を指さして教えてくれた。
「ありがとう」
少女にお礼を言うと、地面に置いてた荷物をヨッコラセと持ち上げた。そして少女の指した方向に走った。
最初のコメントを投稿しよう!