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ハァハァと、息を切らすまっちゃん。
額から汗が流れている。
「悪いな‥。何回も、引き止めて‥。」
まっちゃんは呼吸を整えようと、二回、深く深呼吸をした。
そして、あたしの目を恥ずかしそうに見つめて言った。
「一回だけでいいから、‥‥‥‥くれへんか?」
通り過ぎた大型ダンプカーの轟音で、途中の言葉が、よく聞こえなかった。
あたしは
「え?」
と、訊き返した。
まっちゃんは、困ったように顔をしかめ、もう一度、言った。
「一回だけでいいから、お父さんて呼んでくれへんか?」
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