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vol.01 強がり
「愛してるよ、まりん。」
─ 波琉‥?
「ねぇ‥、まりんは、オレだけのものだよ‥。」
遠くで微笑む彼に、あたしは呼び掛ける。
「ハル!」
追い掛けようと走り出すのに、まるで水中を歩いているみたい。
足が思うように動かない。
─ あと少し‥
あと少しなのに‥
瞬間、視界から彼が消え、辺りは暗闇になった。
「イヤ!もぉ、一人にしたらイヤや‥。」
─ 泣いてる‥?
目尻を伝う生暖かい涙。
そう、いつもの‥
─ イヤな夢‥
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