vol.01 強がり

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  目覚めると、窓の外には雪がちらついていた。 出掛ける準備を整え、あたしはタクシーを呼ぶ。 向かう先はキャバクラ【SPHERE】 あたしは、そこでフロアレディをしている。 所謂、ホステス。キャバ嬢。 「おはよ。」 「アイさん、おはようございます。」 黒服の幹部やボーイが口々に挨拶をする。 《アイ》は、あたしの源氏名。 「雪、降ってるよ。寒かった。」 「今日は、特別寒いですよ。」 更衣室でタイムカードを押して、あたしは、自分専用のロッカーにコートを掛けた。  
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