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待機席に座った途端、黒服が呼びに来た。
「アイさん、ご指名です。」
入り口に目を遣ると、寒そうに背中を丸めたまっちゃんが見えた。
「早かったやん♪」
「いや、すぐ近くまで来てたからな。」
彼は、常連さん。
40代半ばの彼は独身で、不動産業を営んでいる。
そして、暇を持て余しているのか毎日のように店に来てくれる。
いつものように、まっちゃんと世間話をしている時、黒服が呼びに来た。
「すぐ戻るから待ってて。浮気したら、あかんよ♪」
営業トークでニコッと笑って、ヘルプの女の子と入れ替わる。
「12番テーブル、一見さんだからね。頼むよ。」
「うん。」
愛想のない返事をして、あたしは指示されたテーブルを、チラッと見た。
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