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vol.21 告白
長い梅雨が終わった7月も10日を過ぎた頃。
あたしは、キャバ嬢としての最後の仕事を終えた。
帰り際、早紀とシュリに誘われてバーに寄り、最後の晩餐なんてお道化ながら、三人で盛り上がった。
「なんか、アイがヤメたら寂しいなァ‥。」
溜め息を吐く早紀の横で
「引っ越したら遊びに来て。カレシ紹介したいし♪」
あたしは、明るく振る舞う。
だけど、彼女とは【SPHERE】で、二年近く一緒に働いて来たわけだから、あたしも寂しさを感じていた。
「アイちゃん、ネバーランドは?ヤメたん?」
少し酔っているのか、頬を紅く染めてシュリが訊く。
「うん。もう必要ないからね。」
カシスソーダを一口飲んで、あたしは答えた。
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