vol.21 告白

3/29
前へ
/666ページ
次へ
  「これ。長い間、ありがと。」 バッグから黄色いケータイを取り出して、テーブルの上に置いた。 機種変ばかりしているプライベート用ケータイに比べると、その黄色いケータイは、とても古びていることに改めて気付く。 四年間、あたしの生活を支える道具として、このケータイは役立ってくれたんだな‥ なんて、ちょっぴり感傷的になってしまった。 「おっちゃん、泣きそうになってきたわ。もう、アイちゃんと連絡も取れへんのやな‥。」 まっちゃんは、潤んで来る目をパチパチと瞬いて、オシボリで目頭を押さえた。  
/666ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1111人が本棚に入れています
本棚に追加