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喫茶店を出た所で、五日後に引っ越すことを告げ、鍵はメーターボックスの中に入れておくと伝えた。
太陽はジリジリと照りつけ、蝉が、けたたましく鳴いている。
「じゃ、あたし帰るね。」
そう言って、手を振り掛けると
「あのな‥。」
彼は、いつになく真剣な表情で、あたしを見つめた。
「カレシと一緒でええから、引っ越すのヤメへんか?」
「え?そんなん無理。」
「なんでや?」
「だって、お客さんに借りて貰ったマンションに、カレシと住むのイヤやもん。」
「前は同棲してたやろ?」
「今カレは特別やねん。だから‥。」
答えるあたしは、まっちゃんに対して、不信感を抱いていた。
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