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vol.02 嘘つき
─ オトコは嘘つき‥
あの頃、あたしはそう思って‥。
そして、オトコを信じなくなった。
薫のことだって、最初から信じてなんかいなかった。
いつかあたしの前から、消えるオトコ。
そう思っていた。
そして、この人も‥。
テーブルを挟んだ向かい側で、クリームソーダを飲んでいる神様を、あたしはジッと見つめた。
「なんやねん。テレるやんけ。」
彼は微笑んで、グラスの中で溶けかけたバニラアイスを、パクッと食べた。
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