一通目の手紙

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私は急いで自宅の地下に駆け込み、幼い頃親父に買ってもらったアマチュア無線機器をあさった。 ガサガサッ 「見つけたぞ…」 電波傍受用の受信機を見つけ、自宅のあらゆる所を隈無く探した。 見つける事が出来ない。何故私の行動を彼は知る事が出来たのだろうか。 外から監視されている?それは無理だろう。 自宅の周囲は見渡す限りの麦畑。建物そのものも小高い丘に建っている。 それに私は視力が良い。ちょっとした変化も見落とさない自信がある。 従軍していた時の観察力には、上官のお墨付きをもらっていた程だ。 私は見えない敵に翻弄され混乱していた。 「少し落ち着こう…」 いつもの様に冷蔵庫からコーラを出し、喉に流し込んだ。 そして煙草に火をつけ、何も考えずに吸った。
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