戯言1

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「ねえ・・・」 少女は問いを投げた 「私という存在は何故此処に居るの?」 「そうだな・・・」 男が答えた 「本来ならこの世界に居なくても良い・・・いや、この世界に居れば混乱が起こる存在だが、そもそもの世界の秩序が乱れてしまった今だからこそ、必要なのだろう」 「そう・・・でも私は・・・」 「全てを無に帰すための存在・・・だろ?」 少女の反応を知ってか男が答えた 「知っていたの?」 少女がまた質問をする 「知ってなければ呼びはしないさ」 「そう・・・」 暫くの間沈黙が流れる 「ねえ・・・」 「ん?」 「今此処で私が何かしても怖くないの?」 「お前はそんなことする奴じゃないからな、怖くはないさ」 「・・・そう」 少女は男の前に立ちこう言った 「気が変わったわ、もう少しだけこの世界を案内して」 「了解しました、お姫様」 二人の影は遠ざかっていった 旅人の日記の一ページより
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