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最初の出逢いは
高校1年生の春
わたしの名前は「宮崎なな」
ちっちゃくてちょっと
大人しい感じの女の子
入学してまだ間もないわたしは緊張と楽しみがまじり合って変な気持ちでいた。
「ななちゃん…だっけ?」
突然わたしに声をかけてきたのは同じクラスの夏帆だった。
「うん…えっと夏帆ちゃん…だよね?」
緊張で笑顔がひきつっちゃったかな…そんな心配性のわたしをよそに
「今日の放課後!近くのファミレスにね!新1年生達で集まるの、良かったら一緒に来ない?」
誘ってもらえた…やった!これは行かなきゃ!わたしはすぐに首を縦に何度も振った。
「じゃあ、HR終わったら一緒に行こうね」
夏帆は元気に手を振って自分の席に戻って行った。
うわー誘われたのは良いけど、ちゃんと話せるかな…夏帆ちゃん以外は初対面の人ばかりだしなあ。
そんなことを思ってる間に、あっという間に授業も終わってしまった。
「宮崎~ちょっといいか?」
担任の先生に入学そうそう呼びたしされた…
「はい…。」
わたしはすぐに返事をして、夏帆ちゃんに先にファミレスに行っておいてと伝えて職員室に行った。
「宮崎…おまえは今日、遅刻だったが明日からはちゃんとくるんだぞ」
…「大丈夫です。頑張ります」
これだけ~?こんな事の為だけに呼び出しって…
と思いながらすぐ職員室を飛び出してファミレスに急いだ。
「あははは~」
「やべ~なあ!それっ」
中からすっごく賑やかな笑い声が聞こえてくる。
入りづらいなあー。でもこれが最初の第一歩、わたしは勇気を出して中に入った。
「あっ!ななちゃん!こっちこっち~」
すぐに夏帆ちゃんがわたしを見つけて手招きした。
でもわたしが座る分の椅子がない。その時…
「おい!すぐ椅子持ってこい!椅子!」
さっとわたしの目の前に立ったのは細身で背の高い元気そうな男の子だった。
すぐに椅子を持ってきて、
「どうぞ。」
と一言だけ…ニッと笑ってみせた。
それが初めの出逢いだった。
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