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"ブーブーブー…"
「…もしもし………」
朝から愛佳の電話に起こされた。
遅刻か?と思い時計を見たが、まだ6時を回っていない。
いつもなら、愛佳もまだ寝ているのに。
「もしもし……愛佳……?」
しかし、愛佳からの返事はなく、不気味なまま電話を切った。
それからまた少し寝て、アラームが鳴って、時計を見ると8時を過ぎていた。
「遅刻だ……」
"ドンドンドンドンドンッ"
「ミライーっ!起きなさい!」
お母さんが凄い足音で私を起こしに来た。
正直、私のお母さんは怖い。
でもそれに私はいつも抵抗できない。
「起きてるよ……今日、朝ごはんいらないから。」
「何言ってんの、当たり前でしょ?
朝寝坊した子に朝ごはんなんていらないでしょ。
もぉ……いいから、早く学校行きなさい」
「うん、行ってきます。」
顔を洗って歯磨きをして、髪をセットして、軽く化粧して、制服に着替える。
いつもより、髪と化粧は手抜きな為、10分程度で準備ができた。
「じゃあ、お母さん行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
「行ってきまーす」
停めている自分の自転車に乗る。
お母さんは手を振りながら見送ってくれた。
最後に「今日、病院だからね~」と言って。
遅刻の自覚がないのか、ゆっくり自転車を漕いでいた。
時計を見ると、9時ピッタリ。
完璧遅刻。
この時間帯だと今は一時間目が始まったとこ。
でも、私が遅刻をするといつも愛佳は電話をしてくれる。
そんなことを考えながら、15分で学校に着いた。
教室は二階にある。
廊下を早歩きしながら歩いていると、朝の愛佳の電話を思い出した。
今思えば、今日の遅刻は愛佳のせいかもしれない。
私はだんだんムカついてきた。
教室に着く。
バッと教室のドアを勢いよく開けた。
「愛佳ーっ!」
私は周りを気にせず、授業を静かに受けていた愛佳に怒鳴った。
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