1人が本棚に入れています
本棚に追加
「な、何よ………?」
気がつけば、クラス全員が私に注目している。
恥ずかしさが段々顔に出てきた。
「ミライ………?」
「すいませんっ!」
私はその場に入れなくなり、教室を飛び出して屋上に走った。
───バンッ
勢いよく屋上の扉を開く。
気持ちのよい心地よい風が、私を包んでくれた。
「私何やってんだろ…………」
一つため息を落とす。
「ため息すると幸せ逃げるよ」
「えっ?」
誰かが私に話しかけてきた。
初めて見る顔に誰だかわからないまま、戸惑う。
「先輩、そんなに戸惑わないでくれません?
逆に僕が困るんですけど」
「すいません……」
「謝られても……先輩って、本当に謝るの癖なんですね?」
「癖っていうか……癖……」
「先輩最高ッスね!」
目の前にいる男の子は、身長は小さい方だが私よりは大きい。
見た目はズバリ草食系男子。
「ってか……君、誰?」
「僕?………秘密かな」
「……ふ~ん………」
「先輩本当に昔からどっか冷めてますよね」
「余計なお世話です。
しかも、昔からってどういうことよ?」
「僕、中学から先輩と同じ学校なんですよ?まぁ~一つ年下ですけどね
この高校に来た理由は、先輩に憧れてるからです」
そう言って彼は私に微笑んでくれた。
どこか、ソナタと同じ感じがした。
彼の事はよくわからない。
けど彼はソナタと同じ、この先待ち構えてる私の人生に、深く関係してくる。
それはまだ本当に先の話し。
最初のコメントを投稿しよう!