---5月---

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「な、何よ………?」 気がつけば、クラス全員が私に注目している。 恥ずかしさが段々顔に出てきた。 「ミライ………?」 「すいませんっ!」 私はその場に入れなくなり、教室を飛び出して屋上に走った。 ───バンッ 勢いよく屋上の扉を開く。 気持ちのよい心地よい風が、私を包んでくれた。 「私何やってんだろ…………」 一つため息を落とす。 「ため息すると幸せ逃げるよ」 「えっ?」 誰かが私に話しかけてきた。 初めて見る顔に誰だかわからないまま、戸惑う。 「先輩、そんなに戸惑わないでくれません? 逆に僕が困るんですけど」 「すいません……」 「謝られても……先輩って、本当に謝るの癖なんですね?」 「癖っていうか……癖……」 「先輩最高ッスね!」 目の前にいる男の子は、身長は小さい方だが私よりは大きい。 見た目はズバリ草食系男子。 「ってか……君、誰?」 「僕?………秘密かな」 「……ふ~ん………」 「先輩本当に昔からどっか冷めてますよね」 「余計なお世話です。 しかも、昔からってどういうことよ?」 「僕、中学から先輩と同じ学校なんですよ?まぁ~一つ年下ですけどね この高校に来た理由は、先輩に憧れてるからです」 そう言って彼は私に微笑んでくれた。 どこか、ソナタと同じ感じがした。 彼の事はよくわからない。 けど彼はソナタと同じ、この先待ち構えてる私の人生に、深く関係してくる。 それはまだ本当に先の話し。
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