──過去──

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中学3年生の始めの頃。 私はその時に初めて自分が病気だと知り、学校に行かなくなった。 行ったとこで何もない、楽しくない、そう思うようになったから。 大好きな親友の愛佳。 同じクラスの好きな人。 家族に友達。 そして、大好きだった音楽。 全てに嫌気が差した、5月の頃。 「ねぇ、あんたは学校に行かなくても大丈夫なの?」 この頃から、淡々とした口調に冷たい表情と言われるようになった。 そして今私は入院している。 病気のこともそうだけど、精神的にも参っていたから。 「学校って……今、君も僕も入院してんだよ?」 「あ、そっか」 「何?もしかしてド天然なの? それともただのバカだったりして」 そう言い笑う隣の子は、一つ下の男の子。 私が入院する前から、喘息で入院してるらしい。 名前は知らない。 お互い、「あんた」「君」と呼んでいる。 「君は何で入院してるの?」 「病気だから」 「それは知ってます。 僕が知りたいのは何の病気か、ってことだよ」 「だから、病気だって」 「何の?」 「……心臓………らしいよ?」 「疑問系?」 「心臓」 「…ふーん……」 「反応薄いなら言わなきゃ良かったよ」 そうやって私が拗ねると、少しの間沈黙が続いた。 きっとこの会話からだろう、沈黙に居心地を感じ始めたのは。
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