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「4人はお留守番ね?」
「何故です、花音?!」
「浴衣を他の人に見せたくないなら、外に行かない方が見られなくて安心でしょ?」
「そ、それは…」
「紫音、行きましょう?
リオくん行くでしょ?」
「うん、花音さん達と居ていいの?」
「アレじゃ迷子になりかねないからね?
紫音良いかしら?」
「抱きつくのはダメだからな」
「フッ
まだ妬いてたんだね」
リオは可笑しそうに笑っていたが、花音と紫音と部屋から出ていく為4人は顔を見合わせた。
「湊眞くん、行きましょう?」
「フッ
まあ、俺はどっちでも二人で居れるなら構わないけど?」
「だ、ダメです!
毎日引き籠もってたらニートみたいになっちゃいます」
「ふぅん?
雫が居るなら、どうでもいいけど」
「湊眞はお祭り嫌いなの?!」
雫が悲しそうな顔をしながらジッと見つめてくるのだから、湊眞は勿論完敗だ。
「相模、行くだろ?
デートらしいデートしてないんだろうから、やってみたら良いだろ?」
「そうだね?
樹里ちゃん、行こうか」
「ふふっ
最初からその予定ですけれどね?」
「ほら、早く出ろ!
鍵閉めるぞ」
3人は慌てて玄関の外側に出ると、湊眞は施錠をしっかり確認すると雫の手を握る。
「…?」
「俺から逸れたらお仕置きするから」
「…?!」
「わかった?」
「う、うん?
離れません」
雫は嬉しそうにそう告げると、神社までの道程を湊眞の横でゆっくり歩いていた。
「下駄って慣れないと安定しないんですね?」
「女の子のはちょっと高さあるもんな」
「ですね?」
雫が慣れない下駄に苦戦しながら歩いていると、湊眞はこう言った。
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