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「雫、歩けなかったら背負うからな?」
「へ?!
それはおんぶですか?」
「うん?
抱っこがいいなら、そっちもアリだけど?」
「は、恥ずかしいです」
雫は真っ赤になりながら照れていたが、お祭り会場の神社に着いた。
「雫、何か食べる?」
「え?
そうですね」
雫は屋台が並んだ道を歩きながら、りんご飴を発見した。
「湊眞くん、りんご飴食べませんか?」
「なら、隣のお好み焼きも買うけど半分食べる?」
「あ、うん?」
雫は少々戸惑っていたが、湊眞はお好み焼きを頼んでからりんご飴を買っていた。
「飲み物は?」
「湊眞くん、ラムネはどうです?」
「フッ
懐かしいのあるんだな~」
湊眞は懐かしそうにラムネを購入すると、近くのベンチを指差す。
「座るよ?
ちゃんと食べれる場所あるみたいだし」
「座りましょう」
雫と湊眞はベンチに腰掛けると、まずはラムネを開けて飲むことにした。
「うまく開けれるかな」
「フッ
零れるのもラムネっぽいけどな」
雫は慎重にビー玉を押すと、上手く開けれたようだ。
「フッ
上手く開けたな」
「ふふっ
懐かしい味がします」
「雫、食べさせていい?」
「お好み焼きですね」
「熱い内に食べた方が美味いからな?
ほら、口開けて」
湊眞がいつも通りにそう告げると、雫は素直に口を開けて齧り付いた。
「フッ
雫は豪快だな」
「ん、美味しい!」
「俺も食わして?」
「交代です」
雫と湊眞はそんな風に食べさせ合いを始めていたが、碧は何となく樹里と距離を開けて食べていた。
「碧くん?
どうかしたの?」
「な、何が?」
「もうちょっと、近くに来て?
離れてると一緒の意味ないでしょ?」
「…そうだけど」
碧がモジモジしていると、樹里はムッと拗ねた顔でこう告げる。
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