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「私、熱あるの?」
「そうよ?
とりあえず体拭いてあげるから着替えしましょう?
湊眞くんはお粥準備してくれてるわ」
「うん、わかった」
雫は気怠そうな体を花音に起こしてもらうと、服を脱いで体を拭いてもらってから着替えをした。
「ふぅ…」
「冷えピタ貼るよ?」
「うん、ありがとう」
雫はそう告げると、冷えピタをオデコをに貼って貰うと水を飲んでから横になる。
「とりあえず、脇の間に氷を挟んでっと…」
「ありがとう、花音?
紫音くんは?」
「まだ寝てるわよ」
「昨日は疲れたよね?
海行ってお祭りも行ったし」
「夜中まで騒いでいたからね」
「花音、私ね…
あの湊眞くんに助けられた日に死んでたんだって」
「え?
何それ?」
「私をウサギにしたお兄さんに昨日そう告げられたんだ。
だから、湊眞くんはやっぱり命の恩人なの」
「そう?
でも、雫は生きてるじゃない?」
「うん、湊眞くんに助けてもらったから」
「…湊眞くんはもし雫がウサギにならずに人間だったにしても助けたと思うわよ?」
「うん、きっとそうだよね」
雫と花音がそんな風に話しているので、扉の前でお粥を持って聞いていた湊眞は入りづらい。
「湊眞、入らないの?」
「あ、相模!」
両手が塞がっていた湊眞に代わり碧がノックせずに扉を開けた。
「相模!
ダメだろ、ノックしないと?!
着替えてたらどうすんだ」
「ふふっ
それはそれでラッキーだね」
「阿呆」
湊眞は呆れながらも中を見ると、花音が呆れた顔でこちらを見ていた。
「ほら、ダーリン来たわよ」
「か、花音!」
「二人っきりでラブタイムでも過ごしてなさい」
花音はそう告げると、碧を扉の外に出すと一緒に去っていった。
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