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「何事も後ろ向きじゃダメだよ?
良い方に考えないとさ?
俺たちが暗くなってたら、雫ちゃんも不安になるよ」
「相模くん…
貴方、意外とまともな事言えたのね?」
「失礼だよ、花音さん」
「ふふっ
けど、確かに私達がここで尻込みして考えても仕方ないわね」
「そうそう。
何事も深く考えすぎると良い方に行かない」
「わかったわ。
湊眞くんが居るし、任せたわよ」
「うん、分かってる」
花音は何となくだがスッキリしたのか、玄関へと向かおうとするので湊眞が止めた。
「花音ちゃん、紫音も呼んで朝食食べに来ないか?」
「あら、名案ね?
丁度お腹空いてたのよ」
「わかった。
ご飯がいい?」
「ふふっ
パンケーキよ」
「ほう?
紫音嫌がるんじゃないか」
「呼んでくるわ」
花音はそう告げると、自分の階に戻ると紫音を起こして連れて来ていた。
「あれ?
樹里ちゃんは?」
「樹里はリオくんとゲーム中」
「は?
朝からリオの奴」
湊眞はムッとした顔をしていたが碧がそれを制すと呼びに向かっていた。
「花音ちゃん、手伝ってくれるんでしょ?」
「勿論、ふわふわのパンケーキ作るんだから〜」
花音がそう告げると、紫音は難しい顔をして黙りになっていた。
「紫音くん、どうかしたの?」
「あ、嫌?」
「ふぅん?
俺、ケーキ屋の息子なんだ」
「そうなのか」
「紫音くんは甘いものは平気?」
「何故そんな事を聞くんだ?」
「好きそうだからかな?
甘い物に目がないんじゃない?」
「…だったら、何だ」
「ふふっ
湊眞も甘党だし、気が合うね」
「そうかもしれんな」
紫音がそんな風に答えていると、花音はニッコリ微笑むと目の前にパンケーキのフルーツ盛りを置いた。
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