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「湊眞くん、雫大丈夫?」 「まだ、少し熱は高いみたいだけど大丈夫だと思うよ? 花音ちゃんのパンケーキ食べたがってたし」 「雫ったら、食いしん坊ね」 「じゃあ、俺これ持っていかないと」 「わかったわ」 湊眞は花音との話を切り上げると、また部屋に入ると雫はジッとこちらを見つめていた。 「?」 「湊眞くん、こっち来てください」 「うん?」 湊眞はニッコリ微笑むと、雫に近付いたがギュッと抱きつかれた。 「何してんのかな?」 「抱きついてるの」 「フッ 熱あるから無理しないの」 湊眞はニッコリ微笑むと、雫を横に寝かせると氷枕と氷水の入った袋を入れ替えた。 「熱あった?」 「37度です」 「微熱ぐらいか」 「湊眞くんはいつもこれぐらいなんですよね?」 「うん?」 「ポカポカな訳ですね」 「フッ 雫は俺をカイロ代わりにしようとしてるのに?」 「それは温かいから、仕方なくて…」 「まあ、いいよ? 雫が自分から抱きついてくれる訳だからな」 湊眞がそんな風に告げると、雫は真っ赤になって照れてしまう。 「湊眞くん?」 「何?」 「私、湊眞くんと出逢えて良かったです」 「どうしたの、改まって?」 「運命は変えれるんだってわかりましたし、それに…」 「それに?」 「恋もちゃんと出来ました」 「それは俺もだけどな?」 「湊眞くんも出逢えて良かったって意味ですか?」 「それは勿論だけど? 友達が出来たのも雫に出逢ってからだもんな?」 「花音や紫音くんですね?」 「まあ、相模繋がりでもあるか」 「確かに友達の枠が増えましたよね?」 「うん? それも全部雫が現れてからだから」 「…そう言われると、照れちゃいます」 雫はポッと頬を真っ赤に染めていたが、湊眞はニッコリ微笑む。
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