★7

15/20
76人が本棚に入れています
本棚に追加
/210ページ
「樹里ちゃん、何笑ってんの?」 「だって、二人が兄弟みたいに仲良しだから可愛いなって…」 「リオ、次何やる?」 「ふふっ 碧くん、二人っきりになりたい?」 「それは、そうだな」 「ふぅん? まだダメ! 僕に勝ったらね」 「たく、お前って奴は」 碧はまたリオの頭をワシャワシャしていたが、樹里はまた微笑ましい顔をしていた。 「紫音、UFOキャッチャー出来たのね?」 「うむ。 やった事はあるぞ」 「ふぅん? 紫音にも特技があったのね」 「花音はさっきから全く確保出来てないな? 苦手なのか?」 「うぅ… だって、中々難しいでしょ?」 「ふむ。 なら、手伝ってやろう」 紫音は花音の後ろに立つと、手を重ねてくるので花音はビックリだ。 「…?!」 「フッ 何ビックリしてるんだ?」 「だ、だって…」 「花音は面白いな」 「面白いってアンタね?」 「で? どれ狙ってるんだ?」 「あ、あの犬だけど?」 「ふぅん? まあ、やってみるか」 紫音はコントローラーを器用に動かすと、狙っていた犬をアームに引っ掛けて見事に捕獲した。 「わっ! 紫音上手い」 「お礼はしてくれるのか?」 「へ?」 「ほら、これ」 「あ、ありがとう?」 花音が素直にお礼を言うと、紫音はフッと微笑むと頭をポンッと撫でてくる。 「紫音?」 「…」 「何?」 「嫌? 何か無性に可愛いから撫でたくなっただけだ」 「…!」 「次は、何がしたい?」 「…私も撫でていい?」 「は?」 紫音が面食らった顔をしていると、花音は手を伸ばしてくるので止めた。 「何で止めるの?」 「…意地悪したいだけだ」 紫音はニヤリと笑うと、花音の手を引くとプリクラ機の中に引っ張り込んだ。
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!