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「…し、紫音?!」 「ふむ。 これなら好都合だな?」 「な、何が?」 「花音に触るチャンスだから」 「な、何を考えてるの?!」 「何って… 可愛がるだけだ」 紫音はフッと微笑むと、プリクラ機にお金を入れては背景やポーズ何かを選んでいた。 「…?」 「花音、始まるぞ」 「う、うん?」 花音は意味が分からなかったが、とりあえずポーズを取りながら撮影に挑んだ。 「…紫音、プリクラしたかったの?」 「花音、こっち向いて」 「へ?」 花音は何げに顔を上げると、至近距離に顔があったので戸惑ってしまう。 「…紫音?」 「…目は閉じれば?」 「…何それ?」 花音はムッとしながらも、目を閉じると何故かオデコにキスされた。 「紫音?」 「何か、今日は花音が可愛く見えるな」 「はい?」 「うーん? どうしたら良いものか…」 紫音はそう告げては考え込んでいたが、花音はプッと思わず笑ってしまった。 「しーくん、可愛い! ほら次ラストだよ?」 「あ、あぁ」 紫音は花音に引っ張られて横に並ぶと、撮影のカウントが始まった。 「紫音、ほら… 画面見ないと」 花音がそう促すと、紫音は画面ではなく花音を引き寄せる。 「へ?」 シャッター音が鳴ると同時に紫音にキスされてしまい、花音は真っ赤になっていた。 「フッ 花音、真っ赤」 「…もう、いきなり何するの?!」 「キスしたんだろ? わかんなかったのか?」  「もう、勝手なんだから」 花音はムッと拗ねながら落書きコーナーに移動すると、文字や背景なんかを始めた。 「花音、怒ったのか?」 「…怒ったのかじゃないの! 紫音ったら」 「じゃあ、もうしなくていいのか?」 「…そ、そうは言ってないでしょ?」 花音が更にムッとしながらそう告げると、紫音はクスッと笑う。
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