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「雫、何?」 「…ううん?」 「拗ねてるとオムライス食べれないかもよ?」 「…! 食べますよ!」 「ふぅん? なら、ヤキモチ妬かなくていいでしょ?」 「…仲良くて羨ましいだけだもん」 雫はムッとまた拗ねていたが、湊眞は頭をポンポン撫でてやる。 「雫と俺の方が仲良いと思うけど?」 「…そ、それは」 「拗ねる子にはご褒美ないかもな」 「うぅ… ご褒美って、何?」 「雫の好きなイチゴ買って来て貰ったんだけど、要らないんだな」 「欲しいです! 食べさせてください」 「なら、嫉妬しない」 「は、はい」 雫が素直に頷くと、湊眞はまた頭を撫でると調理に戻ってはオムライスを手慣れた感じで完成させていた。 夕飯後、碧と樹里は帰ることになったのでリオはお風呂に入っては歯磨きをして部屋に戻っていた。 「雫、イチゴ食べる?」 「勿論です!」 「フッ 練乳掛けるから待ってて」 湊眞はイチゴを冷蔵庫から取り出すと、ヘタを切っていたが雫が後ろからそっと抱きついてきた。 「雫、危ないよ?」 「湊眞くん、独占したらダメ?」 「ダメじゃないけど?」 「なら、ギュッてしてたいです」 「わかったけど、イチゴは要らないのかな?」 「うぅ…」 雫は渋々離れるとソファーに座り直すと、湊眞はイチゴを持って来ては隣に座るなり抱きしめてくる。 「わっ?!」 「可愛いから、抱きしめたくなった」 「…湊眞くん、ずっと一緒に居てくれるんですよね?」 「うん、それは約束しただろ? 雫は俺が幸せにする」 「へ? それは、プロポーズみたいですね」 「俺はそう考えてるけど? 雫は違う?」 「違いません!」 雫が元気よくそう返すのだから、湊眞もまたギュッと抱きしめてしまうのだった…。
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