☆8

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夏休みも終わり文化祭の時期になって、昨日までで準備は完了した反動なのか雫はグッスリ眠っていた。 「ん〜」 「フッ 朝から可愛い」 湊眞は雫の寝顔を見つめると、そっと唇を奪うと雫はパチッと目を見開いた。 「んっ?!」 「あ、起きた」 「そ、湊眞?! 何してるんですか!」 「眠り姫にキスだけど?」 「…だ、ダメだよ! ビックリしたでしょ?!」 雫は真っ赤な顔でプンスカ怒っているが、全くといって怖くない。 「雫、可愛い!」 湊眞はガバッと雫を抱き起こすと、腕の中に抱き締める。 「湊眞くん?」 「…雫、嫌?」 「嫌じゃないから困るって毎回言っていますよね?」 「なら、もうちょっとこのままでいい?」 「…湊眞くん、今日も温かいです」 雫はギュッと腕を回すと、猫みたいにゴロゴロし始めてしまった。 「猫?」 「眠いです」 「ダメだよ? 寝たらまた唇塞ぐかも」 「?!」 雫はビックリしてパッと身を離そうとするので、ギュッとまた引き寄せた。 「雫、今日はお弁当作っていく?」 「う、うん? そろそろ準備しないとですね」 雫は上目遣いしながらそう告げたが、湊眞は顔をまた近づけてくる。 「そ、湊眞くん?」 「雫からキスしてくれたら… 離れてあげるよ?」 「…もう、狡い」 雫はムッとしていたが、湊眞の顔に触るとオデコにキスしてみる。 「湊眞くん、目は閉じて」 「…見てたらダメ?」 「恥ずかしいから、無理だもん」 雫が恥ずかしそうにモジモジしていると、湊眞は参った顔をしてから目を閉じてやる。 「ほら、閉じたから」 「うん?」 雫はそっと顔を近づけると、唇に軽くキスすると離れようとする。
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