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「もう、可愛すぎなんだけど?」 「湊眞くんが可愛いんですよ!」 「俺には雫の方が可愛く見えるけどな」 「ほら、準備しないと遅刻します」 「わかった」 湊眞はそっと体を離してやると、手をギュッと握るとキッチンへ向かった。 「リオくんも学校だから帰ってしまったし、寂しいですね?」 「また遊びに来るさ? 近いからな」 「朝食お任せしますね?」 「弁当は任せたよ」 湊眞はニッコリ微笑むと、朝食用にフレンチトースト作って焼いていた。 「雫のクラスは何するんだ?」 「あ、パフェ喫茶です」 「ふぅん? 雫作る?」 「あ、はい? でも花音も作りますよ」 「ふぅん? メイド服とか着たりしないの?」 「え? 着ませんけれど?」 雫がそんな風に答えると、湊眞は残念そうにこう告げる。 「そうか… 着ないのか」 「メイド喫茶ではないので? 湊眞くんのクラスは何するんです?」 「うちはお化け屋敷だよ?」 「えっと、湊眞くんお化け役なんですか?」 「それは来てくれたらわかるよ?」 「お化けは苦手です」 「フッ それじゃ、わかんないな」 「うぅ、意地悪してる」 雫はお弁当におかずを詰めると、おにぎりの具材を中に入れて丸める。 「雫、こっち向いて」 「へ?」 雫が湊眞の方を向くと、頬にそっとキスされた。 「ふぁ?」 「油断は禁物だぞ?」 「もう、湊眞ったら! 好きな具材入れてあげませんからね」 「やだ、入れてくれ」 「ふふっ 可愛いから入れましょう」 雫は湊眞の好きな具材をおにぎりに入れると、お弁当は完成した。 「朝食も出来たから食べよう?」 「はいっ」 雫は湊眞の隣に腰掛けると、フレンチトーストをナイフで切ってフォークで食べ始めた。
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