☆8

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「雫?」 「ダメです。 禁止です」 「え?! 何で禁止?」 「今日はしましたよね? だから、禁止です」 「…やだ」 「そんな顔しなくても?」 「雫、酷い」 湊眞はそう呟いては悲しげな表情をするので、雫は何となく許してしまいそうになる。 「ちょっとは我慢してください」 「…わかったよ」 湊眞はションボリした顔で部屋を出ると、雫も出たのを確認すると鍵を締めた。 「雫、本当に触るのダメ?」 「へ?」 「キスだけ?」 「…湊眞くん、嫌なんですか?」 「触るの禁止は無理」 「…じゃあ、手だけ繋ぐのはオッケーにしますね?」 「…手だけ?」 湊眞は嫌そうな声でそう聞いてくるので、雫もその顔に弱いのでどうしようかと悩む。 「雫?」 「あ、エレベーター1階になりました」 「雫、待ってよ?」 「手だけですよ?」 「うぅ… 厳しい」 湊眞は本当に残念そうなので、雫はフッと笑ってしまう。 「何、笑ってんだ? 俺は嫌がってるんだぞ」 「…湊眞くんが我慢出来るかってだけですよ?」 「ふぅん? なら、俺が誰に触られても問題ないな」 「え?」 「他の女の子とか…」 「…嫌ですよ!」 「なら、触るのオッケーにしてよ?」 湊眞は必死な顔でそう言ってくるので、雫はまた困った顔になる。 「…じゃあ、ハグまでです」 「わかった」 湊眞はニッコリ微笑むと、手をギュッと握ってくるので雫は隣で様子を見ていた。 「アレ、何してんのかしら?」 「さぁな? ごっこ遊びじゃないか」 「紫音、それより… 隣歩いてるのは何で?」 花音がそんな風に聞いてみると、紫音はフッと微笑むとこう答えた。
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