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「別に歩くぐらい良いかと思ってな? 花音は嫌か?」 「ううん? そんな事ないけど、結構見られてるわよ」 「気にするな。 傍目には付き合ってるなんてわからないよ」 紫音がそう告げると、花音はビックリな表情をしていたが紫音なりの変化なのだと考える。 「花音、嬉しい?」 「う、うん? でもバレたらどうする?」 「普通に付き合ってるって言うだけだ。 別にバレても花音が嫌じゃないならいい」 「え?」 「花音が女子らに嫌がらせとかされたら嫌だから、今までは距離を置いてたんだ」 「そ、そうだったんだ? でも私は大丈夫よ」 「そうか? なら、バレても問題なかったな」 「紫音ったら、やっぱり慎重ね」 「当たり前だろ? 花音の事を大事に思っているんだから」 「…?!」 花音はそんなストレートな発言にビックリしていたが、学校に到着したので各教室へと向かう。 「花音、おはようございます?」 「雫、おはよう? さっき何やっていたの?」 「さっきとは?」 「登校中、何か湊眞くんとやっていたじゃない?」 「あぁ、アレですね? 手を繋ぐのとハグはオッケーって言ってたのです」 「は? 何、その罰ゲームみたいなのは」 「湊眞くんが意地悪したので、キスは禁止にしました」 「ふぅん? 可哀想な湊眞くん」 「だって意地悪するから…」 雫は照れくさそうにそう告げるが、花音はこんな風に忠告する。 「我慢させてもろくな事ないわよ? 湊眞くんだって辛いし、雫もしたくなると思うわよ?」 「え? 私がキスをですか?」 「うん、そうよ?」 花音がそう言い切ると、雫は信じられないといった返答になる。
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