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「…そうなんでしょうか?」
「雫は自分からしたくなる事ないの?」
「…そうですね?
確かに自分から進んではないかもです」
「ふぅん?
湊眞くんが迫ってる訳か…」
「花音はどうなんですか?」
「何、どさくさ紛れに聞いてんのよ?
まあするけど?」
「…花音は大人ですね」
「雫もしてみたら良いじゃない?
湊眞くんビックリするわよ」
花音がそう告げると、聞いていた紅音がニヤリと笑ってこう告げる。
「朝から過激ですね、花音さん」
「紅音くん、盗み聞きしないでちょうだい?」
「ふふっ
俺、耳良いのでつい?」
「紅音くんは彼女とかにしますか?」
「…嫌、俺は居ないから」
「え?
そうだったんですか?」
「うん?
募集中」
「そうなんですね」
「雫、湊眞くん来てるわよ?」
「あ、ちょっと行ってきますね?」
雫は湊眞に近づくと手をギュッと握られて、廊下を歩いて行った。
「花音さん、彼氏って誰なの?」
「何でそんなに聞きたがるの?」
「だって気になるし?
この学校の人?」
「…ノーコメント」
「ケチだな、花音さん」
紅音が残念そうにそう告げると、ある男子がこちらに近づいてくる。
「あの子、雫ちゃんって言うんだ?」
「貴方は転入生の…」
「藤海景」
「藤海くん、雫ならさっきの彼と付き合っているわよ?」
「ふぅん?
そりゃ、やる気湧くね」
「…野暮なことするなよ?」
「それは君には関係ないだろう?」
「関係なくないぞ?
俺のイトコの親友の彼女だからな」
「それでも気になったらアタックするのは当然だよ?
いくら人の物でもね」
そう告げると、景はフッと微笑むと何処かへ行ってしまった。
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