好意より憎悪

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「俺は佐藤と言います。東京からこのド田舎に引っ越してきてあげました。感謝して下さい。あとヤンキー自重wwさすが田舎ですね把握把握wwこの通り、俺はイケメンです。イケメンの俺のおかげで学園生活がより潤う事に感謝して、そのつもりで俺に接して下さい」   俺はさらっとそう言い放ち、先生に指定された席に腰を下ろした。 そう、見ての通り俺はイケメンだ。くわえてこの180という身長に、運動神経抜群、成績も良い。パーフェクト超人だ。   そんな俺は他人を好きになった事がない。別にそれでいい、モテるから恋人とかは簡単に作れるしな。   「自意識過剰が…」   隣の席からボソッと呟きが聞こえた。ん?俺の事か?お前、目、大丈夫?眼科いってきた方がいいよ。 隣の席に顔を向けると、銀髪っていうより白髪っぽいオールバックの強面のいかついヤンキーが座っている。   っうえwwwwテラヤンキーwwwテラ上等wwテラ4649wwww   「君と俺の顔の大きさってまるで遠近法使ったみたいだねw俺の顔が小さ過ぎるのかな~。それとも君の顔が大き過ぎるのかな~」   俺が馬鹿にしたように笑いながらそう言うと銀髪オールバックヤンキーは立ち上がって俺の胸倉を掴んできた。   まさか…これはお決まりの「なめてんのか」とかいうパターンでは?くすくす。   俺はニヤニヤしながらオールバックさんを見…え?泣いて…いる?   「ひ、ひどい…き、気にしてるのに…っ!うっうっ…うわああああん!!!」   銀髪オールバックさんは泣きながら教室を飛び出してしまった。 俺は何故だか、   「ごっ…ごめんねえええええ!?」   叫んでしまったのだった…。
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