好意より憎悪

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2時間目の授業の途中でようやくオールバックさんが帰ってきなすった。 どっかりと乱暴に腰を下ろし、俺に背中を向ける。…完璧に嫌悪感を持たれている。 ふ…ふん!別に気にしてないんだからね!   俺はオールバックさんの耳元に顔を近付けた。   「ねえ…」   「ぉ…わっ!!」   オールバックさんの耳元で囁くと、オールバックさんは耳を押さえ、ガタンと立ち上がる。   「あっ、ごめん」   「耳元で囁くな!!気色ワリィなぁ…」   不快に顔を歪めた後、再び椅子に座り直したオールバックさん。   「あの、さっきはごめん。悪気はすごくあったんだが…よく考えたら顔大きくないよ、そんなに。俺と一回りくらい大きさ違うけど、ただ俺が物凄い顔が小さいだけで、君そんなに大きくないよ、そんなに」   俺の言葉にオールバックさんは机に顔を突っ伏した。ん?寝るの? 身体が小刻みに震え…え?泣いて…いる? 図体のでかい男が鼻を垂らして泣いて…いる?   「うっうっ…東京の奴って、皆そんなに意地悪なのかよ!?…そんなにそんなにうるせぇよ!自分でも分かってんだよ…!!お前、嫌い、死ねよ、どっか行け!うわぁん」   何でこうなるの?
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