好意より憎悪

4/5
2828人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
隣の席のオールバックさんの名前はどうやら小林さんっていうらしい。心の中でコバヤンと呼ぶ事にしよう。   前の席の美少年が教えてくれた。 美少年の名前は聞いたけど、忘れた。人の名前とか興味ないし。 ちなみにここは男子校で女の子はいない。 普通に男同士いちゃいちゃしてるらしい。うほっ!いい男…しかし、そんな事にも興味ない。   「佐藤くんってすごい強烈なキャラだね。自己紹介びっくりしたよ。ところで佐藤くんは男でも恋愛対象に入るタイプ?」   前の席の美少年が俺に尋ねてきた。期待に瞳を輝かせている。 俺はふ、と思った。小林さんなら俺、BLできるかもしれない…。   「入るかもしれないが君は対象外なタイプ」   俺が冷たくそう言い放つと、美少年はむかついたのだろう、乱暴に席を立って教室を出て行ってしまう。ざまぁwww美少年ざまぁwww   と、後ろの席の奴が俺の背中をちょいちょい叩いてきた。俺は振り返る。   「あの前の席の子さ、好きな奴がコロコロかわるんだよ。飽きたらポイ、だよ。佐藤、冷たくして正解だよ。ところで好きってなんだろうな?そんなにすぐ心変わりするようなもんなの?」   この学校変な奴ばっかかよwwwふざけんなしwwww   「このイケメンの俺に気安く話しかけないでくれたまえ」   「た、確かにイケメンだけど…」   俺は後ろの席の奴に冷たく言い放ち、前に向き直した。 俺も変な奴でした、本当にありがとうございました。   しかし、後ろの席の奴が言った通りだな…。 好きって儚いものだよな。ちょっとした事で相手の事が好きじゃなくなったりとかってよく聞くしな…。   そう思うと、嫌いってよっぽどの事がない限り、嫌いなままだよな。 しかも相手に根強く印象に残る。忘れられない。 好き、より、嫌い、の方が実は凄いんでは?   ふふっ…まぁ、そんな事はどうでもいいか。   あっ、小林さんがトイレから帰ってきた。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!