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翌日、俺は小林さんに昨日のようにメールを送ってから家を出た。もちろん返事は無い。嫌われているからな!
学校の近くまで来れば、ちらほらと生徒の姿が見えてくる。
キャッキャしている生徒達の中で明らかに異質なオーラを放っている奴がいた。東堂だ。
皆、避けるように東堂から離れていったり、道を空けたりしている。カワイソスwwww
目頭が熱くなってきた俺は東堂に駆け寄り、背中をポンと軽く叩いた。
「おはよう」
振り返った東堂は俺だと気付くと、ぷるぷると片手を上げる。
「よっ、よォ、サトー」
「ウサウサ順調?」
俺が尋ねると、東堂は鞄をゴソゴソしだして、何かを取り出した。
そしてそれを、ん、と俺に差し出してくる。
受け取ってみると、それはウサウサだった。昨日までは顔しか出来ていなかったのに、綺麗に完成されている。
「あっ、もう出来たんだ」
「おォ、急いで作った。テメーが鞄に付け易いように紐つけといたからよォ…」
東堂はウサウサに顔を覗き込ませながら、紐がついてる部分をちょいと指差していた。
俺はそれを鞄の掴む部分に括り付けながら、
「別にゆっくりでも良かったんだよ」
軽く笑う。と、東堂は指をいじいじさせた。
「あんなん言われたの初めてで、う…嬉しかったから、ついよォ…気合入っちまって」
涙出そうwwww友達いなかったんだなwww俺が友達になってやんよwww
「あっ、そうだ。お礼しないとな」
「あ…?別にいいぜ」
思い出した俺は東堂の肩に手を回し、ちゅっと口付けをする。
ん?
…間違えたああああ!!!
これ、対女の子用だった。イケメンの俺は前の学校ではプレゼントを貰う事も多かった。お礼のデートするのも面倒くさかったからキスで返していたのだ…。
東堂が女みたいな趣味してるものだからつい間違えてしまったwww
「な…ッにすんだテメェーッ!!」
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